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オリンピックと堀川文化

バンクーバーオリンピックが終わって、既に1ヶ月以上が経ちました。名古屋出身のフィギアスケート浅田真央の涙の銀メダルは、地元名古屋だけでなく、日本中を沸かせました。オリンピックと堀川文化には、一見何の関連性もなさそうな気がしますが、博物館で行われていた、開府400年展では、伊藤みどりから続く、安藤美姫、前述の浅田真央、そして小塚崇彦の、靴やコスチュームが展示されていました。そこでこれから、オリンピックと名古屋人気質=堀川文化について考えてみたいと思います。

特徴的な競技や、話題となった出来事を採り上げて、名古屋人気質に照らし合わせてみたいと思います。

モーグルに登場した上村愛子
スポーツ選手の中でも、飛び切り美形で注目される上村愛子ですが、惜しくもメダルを逃した彼女の、「何で一段一段なんだろう」という、涙の会見も印象的でした。でも私がこの競技で最も記憶に残ったのは、暫定順位の席に座る選手が、上位の得点が出る度に、次々とその席を譲っていくという、誠に痛々しいともいえる姿でした。日本の伝統競技たる、相撲や柔道、剣道では、決して見られない光景でした。敗者に対する、慮りなど微塵も見られない、今流行の言葉で表現するなら、強欲資本主義の世の中を象徴する、勝利至上主義を示す映像でした。上村は最後まで銅メダルに当たる、暫定3位の席に座っていましたが、最終滑走者に追い越され、その席を譲ることになったのでした。
 
ショートトラックアイススケート
優雅なフィギアスケートと違って、ショートトラックのスタートは、まるで我先にと、順番を無視してバスや電車に乗り込むような様相です。礼儀知らずの者が、絶対に強そうです。他人のことなどお構いなし、人を蹴落としていける者こそが、この競技の王者に相応しいとも言えそうです。気弱でおとなしい(?)日本人選手など、スタートから相手に肘鉄を入れられ、戸惑っている間に出遅れる、というシーンを何度見せられたことか。礼儀を重んじるばかりの国民性では、この競技にはとても勝てそうにありません。

スノボードハーフパイプ国母和宏
彼のことはもう何も言わなくても、誰もが「あれか」と直ぐにお分かりでしょう。腰パン、シャツ出し、あのヘアスタイル(ファッション業界では、あの髪型を何と呼ぶのでしょうか)で、公人扱いに納得できる人は少ないでしょう。「反省してまーーす」の間延びした言葉は、内容とは裏腹の心を、そのまま表していたに違いありません。競技における実力があれば、何もかも不問という訳にはやはりいきません。人の視線を気にし過ぎるくらいで、ちょうどいいのでしょう。

移民が流入し続けるアメリカのような多民族国家、もしくは植民地支配を受けたために、長い歴史に断絶を来たすことになってしまったアフリカ諸国などと違って、2000年にも及ぶ長い歴史が途切れることなく続いている日本では、オリンピックという一見勝利至上主義の世界においても、選手にはさまざまな伝統的な一面を要求されたり、その逆に行儀のよい面、和を重んじる社会性が禍して、勝利至上主義に徹することが出来ない選手の姿が映し出される場面が多々あります。

名古屋のように保守的な土地柄では、相手を蹴落としてまでもという、強い意識持った人は少ないように思います。浅田真央は、キム・ヨナほどハングリー精神が強くなかったのかも知れません。また名古屋は排他的だともよく言われます。国母くんのような服装・外見には、眉を顰めるご年配の方も、さぞかし多いことでしょう。

しかしながら、経済的にも先進地であり、なおかつ、400年の伝統を持つ、いい意味で調和の取れた、バランスのいい名古屋という土地柄は、がむしゃらではないにしろ、いろいろなことにチャレンジできる余裕があり、各分野で優れた人材を、輩出しているのではないでしょうか。伝統と新鋭、保守と革新、中央と地方など、相対する関係が、調和よく合わさっているのが、名古屋人気質とも言えると思います。
# by meredeyoshi | 2010-02-19 14:02 | つぶやき

これまでに刊行された出版物

堀川文化を伝える会では、名古屋歴史や独自の文化を、広く後世に伝える活動のひとつとして、これまでに以下の4冊の冊子を発行してきました。056.gif


1 「堀川端ふしぎばなし」 平成15年発行 完売済み

堀川端を中心とした、名古屋の不思議な伝説や昔話を、わかりやすく物語にまとまたものです。


2 「堀川端ものがたりの散歩みち」 平成15年発行 増刷 好評販売中

    わらべうたのみち(金山~東別院)

    おからねこのみち(西大須~上前津・矢場町)

    広小路みち(矢場町~若宮大通~堀川端~広小路通~栄)

    碁盤割みち(御園橋~大津橋~桜通~伏見通)

    橋ものがたりみち(尾頭橋~朝日橋 堀川端)

の5つに分かれ、名古屋の中心部の歴史散策のモデルコースを、それぞれ紹介すると共に、各ポイントにおける昔話や伝説、その土地にまつわる伝承などを、ものがたり風にまとめてあります。


3 「名古屋本町通りものがたり」 平成18年発行 増刷 好評販売中

名古屋開府以来、400年に亘って歴史を刻んできた、名古屋の碁盤割の町並みを、南北に貫くメインストリートたる本町通り。その通りで暮らしてきた人々、そこを往来したさまざまな人々、かつて存在した建物。本町通りに伝わる面白い話、実際にあった信じられないうような話、そこで暮らしてきた人々の懐かしい思い出話など、名古屋の文化や伝統を、育んできた道「本町通り」にまつわる、数々のものがたりを掲載しています。


4 「花の名古屋の碁盤割」 平成18年発行 完売済み

名古屋の中心部の碁盤割町を、文献とインタビューによって紹介したものです。今では失われてしまった、旧町名や通りの由来を、詳しく解説してあります。


以上の4冊に続き、今年3月末には待望の5冊目、「名古屋広小路ものがたり」が発刊されます。それに合わせて、以下のとおりの発刊記念講演会が行われます。どうぞ奮ってご参加下さい。

  日 時  平成22年3月28日(日) 午後1時~3時

  場 所  愛知産業大学付属工業高校 橘ホール(地下鉄東別院下車西へ 東別院西側)

  参加費  500円(講演資料としての冊子代)

  定 員  260名(先着順 当日受付)

沢井鈴一のホームページへ
  
 
  
# by meredeyoshi | 2010-02-15 17:28 | 出版物

堀川文化を伝える会の概要


堀川文化を伝える会は、平成13年に名古屋市中区まちづくり推進室と協働して、名古屋の歴史や独自の文化を、広く後世に伝えるために、市民ボランティアが集まって結成されました。事務局は、中区役所のまちづくり推進室にあります。

名古屋の堀川端や碁盤割の町並みを中心に、失われつつある、名古屋独自の文化や生活習慣、伝統行事など、身近なテーマを毎回取り上げて、講演会を行っています。

また、講演会のほかに、町並みを直接歩いて学習する、堀川文化歩こう会も、年に1回行われています。

昨年は、伊勢湾台風のちょうど50年目に当たる9月26日に、その犠牲者を追悼するために行われた「川施餓鬼」が、非常に注目され、たくさんの参加応募がありました。納屋橋から白鳥桟橋まで、堀川を船で下り、熱田の本遠寺のご協力の下、十数年ぶりに「川施餓鬼」が復活しました。地元新聞社など、マスコミ各社が取材に訪れ、広く紹介されました。

また5月に行われた歩こう会、「名古屋妖怪地図を歩く」では、普段はほとんど参加されない小さなお子さん方も、親子連れでたくさん参加され、名古屋中心部にまつわる不思議な伝説や、ちょっと恐いお話、ユーモラスな小動物などのいい伝えを、初めて耳にし、名古屋の魅力を再発見した方も多かったようで、こちらも大変話題となりました。

ちなみに、「堀川文化を伝える会」のマスコットキャラクターは、「妖怪地図」で紹介されたお話のひとつ、「おからねこ」です。この「おからねこ」については、このブログで後日改めて、詳しくご紹介したいと思っています。

現在「堀川文化を伝える会」は会員15名で活動を行っています。各地の生涯教育センターや、図書館などに置かれたチラシや、広報なごやの案内などをご覧になり、講演会や歩こう会に、どうぞ奮ってご参加下さい。
# by meredeyoshi | 2010-02-12 14:46 | 基本情報

尾張元興寺と飛鳥元興寺 

平成22年2月6日(土) 第30回堀川文化講座 尾張元興寺と飛鳥元興寺の講演会を行いました。

尾張最古の寺、尾張元興寺は道場法師の伝説で知られており、道場法師は飛鳥元興寺で修行したとも言れています。雷や水にかかわる、数々の伝説や、元興寺の歴史、寺に纏わる人物が紹介されました。

講演会の後、元興寺の副住職を中心とした、浄土宗の若手僧侶の会「黒亀会」による、声明の公演が行われました。参加者は、厳粛な本堂の中で、まさに極楽の調べを堪能しました。
# by meredeyoshi | 2010-02-12 13:44 | 講演会・イベント

名古屋広小路ものがたり 発刊記念講演

今年は名古屋開府400年です。1610年に名古屋城が築城され、それに併せて名古屋の母なる川、堀川が開削されました。それから50年後、名古屋を襲った大火を期に、広小路通が作られました。今年は広小路開通350年の、記念の年でもあります。

その記念すべき年に、堀川文化を伝える会では、待望の新刊本を発刊します。

その名も「名古屋広小路ものがたり」、その発刊記念として以下のとおり講演を行います。講演に先立ち、西川流名手、西川長秀さんらが、お祝いの踊りと長唄を披露して下さいます。

どうぞみなさま奮ってご参加ください。

   日 時  平成22年3月28日(日) 午後1時~3時
   
   場 所  愛知産業大学付属工業高校 橘ホール(中区橘) 地下鉄東別院駅下車西へ 東別院西側

   参加費 500円(講演資料としての冊子代)

   定 員  260名(先着順 当日受付)

   内 容  Ⅰ 越後獅子 踊りと長唄
 
         Ⅱ 娘七種 長唄

         Ⅲ 講演  名古屋広小路ものがたり  講師  沢井鈴一(堀川文化を伝える会 顧問)
# by meredeyoshi | 2010-02-05 15:20 | 講演会・イベント