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ゲゲゲ…、平和公園と堀川文化

4月からNHKの新しい朝ドラ、「ゲゲゲの女房」が始まりました。昨年の春に、堀川文化を伝える会では「名古屋妖怪地図を歩く」と題して、名古屋の中心部にも、妖怪に関する伝説や不思議な昔話があることを紹介しながら、まち歩きを行い、大きな反響を呼びました。 

ところで、「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌をご存知でしょうか。

 ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲー、朝は寝床でグーグーグー(中略)

                夜は墓場で運動会

昔からお化けに墓場は付き物で、墓場なくしてお化けや妖怪を語ることは、出来ないと思います。どんなに面白い、どんなに興味深い、妖怪伝説や説話があったとしても、現在の環境とまったく結びつかなければ、その内容を後世に伝えていくことは叶いません。

そんな観点から、現在の名古屋の墓場を考えてみましょう。第2次世界大戦の戦火によって、焼き尽くされた名古屋の町は、大規模な都市計画によって、中心部の寺院は郊外に移転を余儀なくされたものがたくさんあります。中心部に残った寺院も、墓地はすべて平和公園等に移転されてしました。

当時の墓地の移転の様子を、鮮明に記憶している住職を父に持つ、堀川文化を伝える会の会員がいます。墓石をひとつひとつ掘り起こし、お骨もお経を唱えながら、丁寧に一片一片取り上げていったそうです。大変な時間と、エネルギーを費やした作業であったと思われます。

そんなに大変な手間暇を掛けて、行われた墓地の移転ですから、その後の名古屋の中心部の発展(特に商業地域においては)の様子は、誰にでもすぐにわかるはずです。ところがその反対に、目に見えないもの、精神的な支柱となる心を動かすもの、伝統や習慣の継承、さらにはご先祖様を敬う心、といった分野に関する事柄が、お寺とお墓が分離してしまった結果、かなり希薄になってしまったような気がするのは、私だけでしょうか。

目に見えないものの大切さ、精神文化の継承、当たり前の習慣を次世代に伝えていくことを、「堀川文化を伝える会」は常に考えながら、講演会や歩こう会、本の出版を行っています。
by meredeyoshi | 2010-04-16 15:28 | つぶやき
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